アロマテラピーの基本辞典



アロマテラピーの理論

 

 

アロマテラピーの効果を理論的に説明します。アロマテラピーの基本には精油が欠かせないわけですが、実は心身に働きかける経路は2つあるということで、それらは嗅覚刺激によるものと、皮膚や粘膜を通して血流に乗り体内に入るものとなっています。

 

 

精油が蒸散した時の芳香成分は鼻で感知されて、その嗅覚刺激は大脳辺縁系に到達し、これが脳の中でも本能的な部分である旧皮質に存在することから、無意識のうちに情動を引き起こすと前項でも延べましたが、これは視床下部に影響を与え、これは身体機能の調整を行う中枢ですから、従って匂いは本能的に身体諸器官の反応を引き起こすための要因となりうるとされているのです。

 

 

この特徴は安心感、快感、緊張感、瞑想感、覚醒感などで、芳香成分を嗅ぐだけで心身のバランスを促すことが期待されています。

 

 

ちなみに吸収された成分は、最終的には大半が肝臓や腎臓で代謝されて尿と共に排泄されることになります。

 

 

吸収ルートは、「ボディトリートメントなどによる皮膚から真皮の毛細血管に至る吸収ルート」、「鼻から喉、気管支、肺へと進む間に粘膜に吸着して粘膜下の血管に入る吸収ルート」、「肺胞でのガス交換時に酸素と共に血流に乗る吸収ルート」、「経口して小腸までの消化管から吸収していくルート」などがありますが、基本的に皮膚に吸収された芳香物質の場合の吸収は極めて緩慢だとされています。

 

 

呼吸からの吸収はこれより早いですが、空気中の芳香物質の濃度は低く、吸収されるのはこれも微量だと思われます。